作る人と使う人
映画グランツーリスモを見ました。
映画は、グランツーリスモというゲームの最高峰のプレイヤーを本物のF1レーサーにする、という物語。
漫画のような話だけど、実際にあったノンフィクションの話。
すーーーーーごく面白かったし、いろんな感想はあるけど、その中で感じたことをひとつ。
『作る人と使う人』は別なんだな、ということ。
グランツーリスモというゲームを作った人がいて、そのゲームを多くの人がプレイする。
作った人と使う人。
作った人は「限りなく本物に近いように」ゲームを作る。レーシングカーのサイズはもちろん、エンジンやカスタマイズや風の抵抗などもすべてに渡って現実と同じように作り込まれていたので、グランツーリスモというゲームは「ゲームじゃなくてシミュレーター」だという言葉が出てきました。それくらいにゲームを作る人は職人技で「本物のレースを体感できるように」それを作り込んでいく。
一方で使う人は、それにのめり込むようにレースを楽しむ。レースのコース取りだったり、スピードの加減速などをトライアンドエラーでコンマ1秒の世界で調整して、他のプレイヤーと競い合う。そして、世界ランキングが出たり、ゲーマーと呼ばれたり、eスポーツになったり、その「スキル」がマックスのスペシャリストが出てきます。
ただ、当たり前なんですが、ゲームを作った人はこの「スペシャリスト」ではないということ。ゲームを作れるけど、それを扱うのはプレイヤーで、やり込むのもプレイヤー。
ゲームを作った人は、その”ゲームの使い方”を「一番知っている」わけでもなく「一番使いこなせる」わけでもない、ということ。
ゲームの世界ではこれは当たり前なのかもしれないけど、BtoBビジネスの場合はなんとなく感覚が違う気がしています。
SaaSなどのプロダクトを作った人は「自分が一番そのプロダクトのことを知っている」「使いこなせる」と思いがち。ユーザーの声を聞かないと、ということをよく耳にするけど本当にこれなんじゃないかなと思いました。
それは頭では理解できるけど、なかなか100%腑に落ちない。
でもグランツーリスモを見てちゃんとすっと自分の中に落ちていきました。
作った人が、使い方を一番知っているわけではない。一番使いこなせるわけではない。
だからヒアリングだったり、どう使っているかを見せてもらったりすることはめちゃくちゃ大事。日々の業務にいったんストップをかけて、ユーザーの画面と手元を見に行こう。と思いました。