商談設定率を上げる、問い合わせ対応のポイント【トークスクリプト&メール例文付き】

山口友貴

アカウントコンサルタント 山口友貴

お問い合せや資料請求など、オンライン広告などによるリード獲得施策をおこなっている企業であれば、獲得したリードに対し、架電をするインサイドセールスの方や、営業担当の方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

「電話で話したけど、商談設定まで繋がらなかった」「そもそも電話に出てくれない」「営業にトスアップしたリードの質が悪いと言われる」など、電話やメールでの接触になるので、クライアントの本音が聞けず、苦労した経験も多いかと思います。

この記事では、商談設定率を上げるための架電のポイントと、ケースごとのトークスクリプトをまとめましたので、ぜひご参考ください。

目次

商談設定率を上げるための架電のポイント5つ

商談設定率を上げるためのポイントは5つあります。電話という非対面でかつ短い時間を有効活用しなければならないので、効率良くかつ的確に対応していく必要があります。お問い合わせが発生したら上から順に対応してみてください。

【商談設定率を上げるための架電の5つのポイント】

  • HPやLPを見る
  • 5分以内架電
  • お問い合わせ内容に回答する
  • 現状と理想を確認する
  • MTGの打診をする

HPやLP、お問い合わせ内容を見る

まず、お問い合わせが発生したら、その会社のHPやサービスのLPを確認するようにしましょう。電話をする上で、クライアントのこと知らなければ、調べたらわかる質問をしてしまったり無駄な時間をお互い割いてしまうかつ自社の印象を下げてしまいます。

ただ、全部を確認するのは難しいので、お問い合わせ内容に該当する情報だけで十分です。

5分以内架電

HPやLP、お問い合わせ内容を確認したら、次は電話をかけます。あまりすぐにかけすぎたらと心配になる方もいるかと思いますが、早ければ早いほど良いです。

理由としては、顧客が行動を起こしたその瞬間が一番自社サービスに対する興味関心が高い状況にあるからです。鉄は熱い内に打てではないですが、お問い合わせや資料請求があればすぐに電話をかけるようにしましょう。

また、けっこう擦られているデータではございますが、実際の調査でも5分以内に架電をすると、10分以内の架電に比べて着電率が4倍も違うそうです。

出典:BRIGHT ORANGE THREAD「Fast Reply Time is Key to Sales in the Propane Industry」(2017年9月6日参照)

お問い合わせ内容に回答する

まずクライアントが欲しいと思っている情報は、お問い合わせ内容についてになります。なのでお問い合わせ内容に対して、簡潔に回答するようにしましょう。いくつか回答例を出しておりますので、参考にしてみてください。

【お問い合わせ内容例と回答例】

  • お問い合わせ内容:費用感と納品までのスケジュールについて知りたい。
  • 回答:費用は〇〇プランで〇〇円と△△プランで△△円となり、オプション料金はありません。納期については、〇〇プランであれば3週間、△△プランで4週間となります。
  • お問い合わせ内容:同様のサービスを複数数社検討していて、他社との違いを知りたい。
  • 回答:他社との違いは、サポート体制です。他社では納品して終わりという企業が多いですが、弊社は納品後のサポートまでさせていただきます。

現状と理想を確認する

なぜ今回お問い合わせをくれたのか、現状の課題をヒアリングし、どうなるのが理想なのか確認をしましょう。この情報を知るだけで、アポイント当日までの事前準備の内容が変わり、当日は顧客のお困りごとに寄り添った提案をすることがしやすくなります。

【トーク例】

  • 営業:なぜお問い合わせをくれたのですか?
  • 顧客:実は今使っているサービスがあるのですが、あまり効果が出てないなくって
  • 営業:なぜ効果が出ていないんですか?
  • 顧客:そもそもサービスの使い方みたいなところも分かっていなくて、、
  • 営業:サービスの活用方法が理解できて、実際の業務に落とし込める状態になれば効果が出そうですか?
  • 顧客:そうですね、最初のサービス活用の設計をまずはしたいなと思っています。

MTGの打診をする

課題と理想のギャップを埋めるためにお問い合わせをくれているので、そのギャップに対し、自社がどう役に立てるのかを伝え、MTGで詳細の話をさせてもらうことができる旨を伝え、MTGの打診をしましょう。

この際は、「〇月〇日の〇〇時はいかがでしょうか」など、こちらから日程を打診するようにしましょう。

MTG予約ツールを利用している場合は、メールにてURLを送るから予約してくださいとお伝えすると良いです。

トークスクリプト

ここからは、シーンごとのトークスクリプトについて解説していきます。トーク内容は自社サービスによって変わるかと思いますが、話の流れは変わらず使用いただけるかと思うので、下記内容をベースに自社用にカスタマイズしてみてください。

お問い合わせ

お問い合わせリードの場合は、検討確度が高い状態の場合が多いので、比較的スムーズに日程の調整まで進めることができるかと思います。

【トーク例】

  • 営業:〇〇様でいらっしゃいますでしょうか。
  • 顧客:はい、そうです。
  • 営業:先ほど〇〇様にお問い合わせいただきました、資料作成代行サービス「c-slide」を運営しております、株式会社Coneの山口と申します。
  • 顧客:お世話になっております。
  • 営業:お世話になっております。先ほど弊社サービス宛にお問い合わせいただきましてありがとうございました。お問い合わせの際にいただいた内容について回答をさせていただきたく少しお時間よろしいでしょうか。
  • 顧客:はい、大丈夫です。
  • 営業:今回は料金プランとご納期について知りたいとのことでしたが、弊社が料金プランとしては2パターンご用意しておりまして、今回作成したい資料は、既存資料のリデザインがメインとなるのか、1からの作成を予定しておるのかどちらになりますでしょうか。
  • 顧客:1からの作成を予定しております。
  • 営業:では、1ページ1万円のプランで制作することが可能です。また、ご納期としてはご依頼から約3週間でご納品が可能です。ちなみに、資料を1から作成したいとのことでしたが、営業の方の受注率改善などを検討していて、その一つの施策として営業資料改善を検討されているのでしょうか。
  • 顧客:そうなんですよ、現状使用している資料はあるのですが、営業個人で作っている内容になるので、成果にばらつきが出てしまっているんです。
  • 営業:さようでございますか。例えば弊社の事例ですと、トップ営業の方の商談内容を資料化し、誰でもトップ営業マンの方と同じ商談ができるような体制を作らせていただいた事例もあるのですが、もしよろしければ事例含め、貴社のご状況もお伺いさせていただければと思うのですが、来週月曜日の午後などご都合はいかがでしょうか。
  • 顧客:14時からであれば空いてますよ
  • 営業:では、来週月曜日の14時からお時間1時間ほどいただいて、事例のご紹介等させていただければと思います。後ほどメールにて、当日のZoom URLをお送りさせていただきますので、ご確認いただけますと幸いです。
  • 顧客:かしこまりました。
  • 営業:では、当日お話しできることを楽しみにしておりますので、何卒よろしくお願いいたします。お時間いただきましてありがとうございました。失礼いたします。

資料請求

資料請求リードの場合、お問い合わせリードよりか検討確度が低いケースが多いです。なので、MTGで話を聞いてみたいと思わせるようなトークが必要です。

【トーク例】

  • 営業:〇〇様でいらっしゃいますでしょうか。
  • 顧客:はい、そうです。
  • 営業:先ほど〇〇様に資料請求いただきました、資料作成代行サービス「c-slide」を運営しております、株式会社Coneの山口と申します。
  • 顧客:お世話になっております。
  • 営業:お世話になっております。先ほど弊社資料のダウンロードをいただきましてありがとうございました。
  • 顧客:はい、ありがとうございます。
  • 営業:今回資料をダウンロードいただいたきっかけはどういったご理由だったのでしょうか。
  • 顧客:資料作成に時間がかかっていて、代行会社がどこまで対応してくれるんだろうと思いまして。
  • 営業:ありがとうございます。〇〇様の中ではどこからどこまで対応してくれたらありがたいなと感じられますでしょうか?
  • 顧客:構成とか考えるのめんどくさいからそこから入ってもらえて、綺麗なデザインまで作ってくれるとありがたいですね。
  • 営業:ありがとうございます。ちなみに作りたい資料のジャンルって決まっていますか?
  • 顧客:営業で使う資料になります。
  • 営業:営業資料ですね。初回のご商談とかで使われる想定ですか?
  • 顧客:そうですね、新規のお客様のところに持っていって、その場で説明するときに使いたいです。
  • 営業:ありがとうございます。であれば、もちろん構成の部分から弊社でご支援させていただくことは可能ですし、例えば、営業資料を外注することで受注率の改善に繋げることもできるのですが、受注率の改善などもご興味ございますか?
  • 顧客:そうですね、そんなことができるなら興味ありますね。
  • 営業:ありがとうございます。では、そのあたりの事例のお話も含め、貴社のご状況もお伺いできればと思いますので、来週火曜日の14時から1時間ほどご都合いかがでしょうか。もしよろしければオンラインMTGにてお話しできればと思っています。
  • 顧客:その日は15時〜であれば大丈夫ですよ。
  • 営業:承知いたしました。では、15時〜お時間いただければと思いますので、このあとメールにてZoomのURLをお送りさせていただきますね。
  • 顧客:ありがとうございます。
  • 営業:こちらこそありがとうございます。では、当日お話しできることを楽しみにしておりますので、何卒よろしくお願いいたします。お忙しいなか、お電話にてご対応いただきましてありがとうございました。失礼いたします。

架電後のフォロー

架電が完了すれば、クライアントと決めたネクストアクションをメールにてフォローしましょう。僕の場合は、日程調整ツールを活用しているので、そのURLを送付するのと、事前に資料や記事を送ったりしています。

お礼とネクストアクション内容を送付

架電後はまずお礼のメールを送りましょう。内容は下記をテンプレートとして活用ください。

〇〇株式会社
〇〇様

いつもお世話になっております。
資料作成代行サービス「c-slide」を運営しております、株式会社Coneの山口でございます。
先ほどはお忙しいなか、お電話にてご対応いただきましてありがとうございました。

お電話でもお伝えしておりました通り、来週月曜日14時〜オンラインMTGのお時間をいただけますと幸いです。MTG URLをお送りいたしますので、当日はお時間になりましたら下記URLよりご入室ください。

【Zoom URL】
https:~~~~~~

また、当日は貴社営業資料の現状についてもお伺いできればと思います。それに伴いまして、営業資料を事前にお送りいただければ、MTG前に拝見させていただき、スムーズにお話を進めることができるのですが、ご送付いただくことは可能でしょうか。

参考までに、貴社と同じような課題を抱えていた企業様の事例記事もお送りいたしますので、もしMTGまでにお手隙のタイミングがあればご一読いただけますと幸いです。

【〇〇様事例記事】
https:~~~~~~~

以上、MTGまでにご不明点等あればお気軽にご相談ください。
お話しできることを楽しみにしておりますので、当日は何卒よろしくお願いいたします。

事前に共有しておきたい内容を送付、共有してほしい内容を要求

お礼メールを送る際は、「事前に共有しておきたい内容」と「してほしい内容」を記載すると、MTGまでの準備等がスムーズに進みます。

上記の例でいくと

【共有しておきたい内容】

  • Zoom URL
  • 他社事例の送付

【共有してほしい内容】

  • 営業資料の共有
  • 他社事例記事の確認

となります。

ZoomのURLについては、電話でも送るとお伝えしているので、忘れずに送るようにしましょう。

営業資料については、どんなサービスなのか、どのような構成、デザインで作っているのかを事前に確認できると、MTG当日のヒアリング、提案がスムーズになるのでお願いをしています。

また、他社事例については、MTG当日に話をする内容を事前に共有しておくことで、一歩踏み込んだレベルでディスカッションができるようになるためお送りしています。

もし電話をするリソースが足りていない場合

これまでに電話をするリソースがある場合の話をしてきましたが、企業によっては、電話をするリソースがない場合もあるかと思います。

ただ、リソースが足りていないからといってせっかく自社に興味を持ってくれた方を放置してしまうと非常にもったいないので、下記内容の導入を検討してみてください。

サンクスページにMTG予約ツールを埋め込む

お問い合わせや資料請求のための情報入力を完了いただいた後に、サンクスページを設置し、そのサンクスページ内にMTG予約ツールを埋め込みましょう。

MTGにて話を聞いてみたいと思ってくれている方は、このページを用意するだけで予約をしてくれます。

【弊社サービスc-slideのサンクスページ】

せっかく話を聞いてみたいと思ってくれているかもしれないリードを逃さないためにも、いちいち日程調整の手間を掛けないためにも設置することをおすすめします。

自動返信メールの設定

お問い合わせや資料請求があったら、自動でリードにメールを送る設定にしておくのも商談獲得のための有効な手立てとなります。

毎回営業などがメールを送るとなると、1回あたりの時間は少ないかもしれませんが、積み重なると膨大な時間がかかっています。

また、メールを送ることで他の作業がストップしてしまったり、メールを送ることを忘れていたとなると、リードを逃してしまうことになります。なので、自動返信メールを設定しておき、必要であれば営業からも重ねてメールを送るという方法を取ることをおすすめします。

外注の検討

最後に外注の検討です。電話を代行してくれるサービスや、インサイドセールスとして電話を代行してくれる企業はたくさんあります。

自社でリソースを用意することが難しい場合は、代行会社にお任せすることも検討してみると良いかもしれません。

さいごに

これまで商談設定率を向上させるための電話トークについて解説をしてきました。いきなり自分で0から考えて話すというのは難しいので、まずは上手な人やネットに落ちているスクリプトを真似してトークをしてみて、そこから自分なりのアレンジを加えて話をするという流れが良いかと思います。

まずは真似るという形で、本記事が参考になれば幸いです。