月間40本更新・50リード獲得を実現するConeのコンテンツ制作体制

佐藤 立樹

代表取締役 佐藤 立樹

コロナによるオンラインシフトによって、オウンドメディアの開設やコンテンツマーケティングへの取り組みを始めてみたという企業も多い中、「体制」や「クオリティ」に不安を感じている担当の方もいるのではないでしょうか。

Coneでは、月間20本以上記事を公開し、コンテンツマーケティングによって月間50リード、年間でいうと600リードほど創出することができています。

本記事では「コンテンツを量産体制の作り方」を紹介します。

目次

コンテンツ量産体制のポイント

**コンテンツマーケティングに取り組む企業にとって最大の敵は「継続」**です。多くの企業がネタ切れや優先順位が低いことによって、他の業務に圧迫されて更新が止まってしまい、結果がでないというケースが散見されます。

Coneも初期はコンテンツをつくる体制が整っておらず、更新が止まってしまっていました。その経験をもとに、更新が止まる原因を特定して、解決する、というアプローチを取ったので、それを紹介していきます。

まず更新が止まる原因とは以下3つです。

  • 意識不足:他の業務の優先度>コンテンツ制作の優先度により更新が遅れる、止まる
  • 継続力不足:タスク、スケジュール管理ができておらず更新が遅れる、止まる
  • ネタ切れ:書く内容が定まっていないことにより更新が遅れる、止まる

この3つの原因をどうやって解決し、コンテンツ量産体制を構築していくのか。

  • 圧倒的にコストをかける
  • 定例MTGなどでペースをつくる
  • テーマはSEO観点:顧客起点=5:5

圧倒的にコストをかける

まずはコンテンツ投資に対する意識の低さを改善するために、社内の意識改革から始める必要があります。

本来コンテンツ制作に注力するメリットは

  • 深い認知による”指名”問い合わせ増加
  • 社内メンバーの事業理解促進

があります。

自社記事が上位に表示されることで、問い合わせを獲得できる以上に、社名を覚えてもらえることがメリット。もしニーズが高まった際に第一に検討してもらえるととでリードタイムの短縮、問い合わせの獲得が期待できます。

また、社内メンバーがコンテンツ制作に関わることで自分の仕事を言語化する機会ができるため、自分の中に蓄積しているノウハウなどを体系化し、さらなる業務クオリティの向上や顧客提供価値の向上が見込めます。ひとつ目のメリットより、むしろこちらの社内に対するメリットのほうが大きいと最近は感じています。

ただ、それを社内ミーティングなどで説明しても、実施していないメンバーにはいまいちピンと来ません。

この社内のコンテンツへの投資の意識不足に最も効果的な対策が「圧倒的なコストを投下する」ことです。具体的には本来のマーケティング予算の全額をコンテンツ制作に充てる、くらいのイメージ。

どれだけミーティングで重要性を説いてもあまり効果はありませんが、この「意思決定」は嫌でも社内にインパクトを与えることになります。(※ 社内にコンテンツ制作文化が浸透しているならこれはあまり必要のないステップになります)

定例MTGなどでペースをつくる

次は、継続力不足に対するアプローチです。コンテンツ制作の意識が高くても「書く」のは難しいため、一度ペースが乱れてしまうと更新が止まってしまいます。

そこで、

  • 定例ミーティングで執筆・公開スケジュールを管理する
  • 執筆時間を設けて「書く」時間を確保する

週次で記事の進行具合や公開スケジュールを確認する、また週に1度2時間程度「執筆」だけの時間を全員で共有して記事を執筆する、など**【強制】的に記事更新できる体制**をつくるのがおすすめです。

ただ、スケジュールだけを追ってしまうと質の低いコンテンツが大量に更新されることになるので、注意が必要です。

定例ミーティングで管理するのは**スケジュール厳守というよりは「進行具合の確認と相談」**です。どれだけ進んでいて、なにに躓いているのかを確認するだけの時間としましょう。

少しずつでもメンバー全員で前に進めるという期日の管理ではなく進捗の管理に留めるのがポイントです。

テーマはSEO観点:顧客起点=5:5

最後はテーマ選定への対策についてです。オウンドメディアの記事更新で最も多いのがこの「ネタ切れ」という原因です。

記事執筆担当にテーマは任せきりだったり、構成担当がテーマを投げてライターが執筆するという体制をとっていたりする会社もあると思いますが、このテーマ考案〜記事更新体制にはある程度のルールと自由度が必要だと考えています。

  • ある程度のルールとは、SEO観点でのキーワード選定からの記事執筆
  • 自由度とは、顧客から出た質問からのテーマ考案・記事執筆

です。

どちらかに依っている記事更新スタイルだと、途中で更新が滞るケースが多くなります。SEO寄りだと「顧客観点のディスカッション」が不足してしまい記事更新が作業になるため重要度が下がります。顧客起点のテーマ考案だと、テーマ不足により記事更新が滞ります。

そのためSEO観点と顧客起点のテーマ考案比率を5:5くらいにすると、社内でのモチベーションを保ちながら記事更新を継続することができます。

弊社Coneでは、週に10本、月に40本ほどの記事を新たに公開していますが、上記のようなバランスを保っています。

メディアテーマ公開頻度種類
BPO事業のオウンドメディアノウハウ系
例)
営業資料の改善方法
週3本SEO
BPOサービス比較サイトサービス紹介記事系
例)
経理代行〇〇選
週5本SEO
BPOサービス比較サイトインタビュー記事系
例)
〇〇社の最も成果が出た施策
週1本顧客起点
会社ブログ日報系
例)
未来は今が積み重なって出来上がる
週0~2本顧客起点
会社ブログノウハウ系
例)
100%インバウンドのリード獲得方法
週0~1本顧客起点
  • SEO観点:キーワードで週次で書いていく

自社のターゲット顧客が調べるようなキーワードを洗い出して、一覧表を作成します。その一覧表からスケジュールを敷いて、スケジュール通りに新規記事を執筆していきます。

以下は、SEO観点で記事更新を継続するステップを簡素に表したものです。

  1. キーワード一覧表を作成
  2. 一覧表から順に記事を執筆
  3. 週次で進捗確認

参考記事:SEO記事作成の手順5ステップ。構成テンプレート付きで徹底解説

  • 顧客起点:クライアントからの質問

クライアントの問い合わせ内容や、商談中に聞かれた質問等を拾ってそれをテーマに記事を執筆します。

以下は、顧客起点で記事更新を継続するステップを簡素に表したものです。

  1. 問い合わせ内容・顧客から出た質問を各自ストック
  2. 定例ミーティングで、簡単にテーマ化しディスカッション
  3. テーマを決定、執筆
  4. 定例ミーティングで、進捗管理

と、SEO観点と顧客起点での執筆を進めることで、ディスカッションをしながら記事更新は止めないという仕組みをつくることができます。

コンテンツ制作から成果を出すためのポイント

記事更新が止まる最後の原因は「結果が出ない」というものです。更新しても更新しても、問い合わせの獲得につながらなかったり、アクセスが増えなかったりするとモチベーションは下がるもの。

そこで、コンテンツ制作から成果を出すためのポイントを2つ紹介します。

  • 圧倒的に時間をかける
  • ひとつのコンテンツを複製展開する

圧倒的に時間をかける

ひとつ目は「コンテンツの作り方」に関するポイントになります。

本記事では、コンテンツ量産体制の構築方法について言及してきましたが、クソコンテンツを量産したところで顧客獲得にもブランド想起にもなんの影響も及ぼしません。(言い方汚くてごめんなさい)

ワンピースでもナルトでもいいのですが、モブ100人くらいがルフィに向かっていっても覇気でワンキルみたいなシーンを見たことがあると思いますが、それがこの考え方に近いです。凡庸なコンテンツをいくつ作っても、良質なコンテンツの足元にも及ばないということ。

そこでひとつだけ意識しておきたいことがあります。それがコンテンツ制作に圧倒的な時間をかけること。

たとえば、「コンテンツマーケティング代行会社比較10選」のような記事を書こうとしていて、さっと適当に10〜15社程度見てみて執筆したようなコンテンツではだめで。

100社くらい見た結果、傾向的に4タイプに分類することができて、その中でもおすすめの10選を紹介する、のような記事のほうがクオリティが高くなるのは容易にイメージできると思います。

「どうすればクオリティを上げられるか」という問いにクリティカルに解答することはできないとしても、良質なコンテンツはすべからく「圧倒的な時間を通して」つくられたコンテンツです。

弊社も「パワポ デザイン」というテーマで、2週間ほどかけて制作実績からすべてのデザインパターンを洗い出した記事がこれまでで最もアクセス・CVを生み出した記事になっています。

参考記事:パワーポイントのデザインパターン集。資料作成時に使える39のアイデア

ひとつのコンテンツを複製展開する

ふたつ目は「コンテンツの使い方」に関するポイントになります。

コンテンツをつくってもなかなか結果がでないという場合は、つくったコンテンツのフォーマットを変える→配信する、というステップを意識しましょう。

同じコンテンツでもチャネルによって読者・閲覧者の層は異なります。簡単に言うと、文字を好む人は検索エンジンをメインに使うし、映像を好む人はYouTubeをメインに使います。

そのため、記事を執筆したらその内容をYouTubeに展開したり、と他のチャネルに同コンテンツを流通させることを意識しましょう。

弊社でも、「サービス紹介資料の作り方」という記事を執筆してから、それを動画化し動画ホワイトペーパーとしてリード獲得施策に活用しています。

記事:【受注率2.5倍】成果に繋がるサービス紹介資料の作り方(構成やデザインもすべて公開)

動画:【解説動画】商談化率を2倍に向上させたサービス紹介資料の構成とは

最も重要なのは「コンテンツに投資する」という組織意思

本記事では、コンテンツ量産体制構築とコンテンツの作り方・届け方について解説してきましたが、結局最も重要なことは「組織がコンテンツに投資するぞ!」と同じ方向を向いているかどうかです。

コストを投下したとしても、社内メンバーの賛同が得られていなければ反感を買うことになります。まずは経営層や取り組む主導のメンバーがコンテンツマーケティングにコミットし、結果を出すというところから始めるのが、結局一番良いと考えています。

結果が出てはじめて社内メンバーを説得し、コンテンツ投資体制をつくれるのではないかと。

弊社Coneでも、最初は社内はコンテンツ更新より、広告からの効率的なリード獲得からの売上創出が重視される雰囲気でした。今では、エンジニア以外の全メンバーがコンテンツ制作・更新を行っています。

まずは、だれかが結果を出すところから、本気を出すところからなのかもしれないです。