忙しいあなたに贈る、社会人の勉強法36個

佐藤 立樹

代表取締役 佐藤 立樹

はじめまして、もしかしたら二度目まして、そしてこれからもどうぞよろしく、小さいチームで大きな仕事をする最高の会社を作りたいと考えているConeの佐藤(@rk310117)です。

今日は「仕事36景」と題して、社会人の勉強法について36個の角度から考えてみました。葛飾北斎の富嶽三十六景から着想を得ています。季節や時間、角度によって富士山がいろんな表情を見せるように、1つのテーマも36個の角度で掘り下げると、ひとつくらいは何か刺さるものが見つかるかなぁと。

今回は「ビジネススキルを上げる社会人の勉強法」について、36の景色として紹介していきます。家にはレゴで作った富嶽三十六景を飾っているくらいにはファンです。

それでは、1景ずつご紹介していきましょう。

あ、その前にいったん36個は以下になります。

目次

【第1景】「勉強」という言葉にいちいち拒否反応を示さない

社会で生きていく中で、スキルアップや出世のために勉強は必要不可欠です。でも「勉強」と聞くと、学生時代に散々言われ続けた記憶から、なんとなく嫌な気持ちになる人も多いのではないでしょうか。

しかし、よく考えてみてください。「あれ、これってどういう意味だろう?」と思ってスマホで検索する行為も、立派な勉強です。葛飾北斎がどんな人だったか、どんな絵を描いたかを調べることも同じです。

つまり、僕たちは毎日何かしら勉強をしているわけです。学びってそんなに大層なことではありません。「ググれカス」と言われるのと同じで、日常的な行為なのです。

【第2景】ビジネス書は紙の本で読む

学習効率の観点から言うと、ブルーライトよりも紙に反射した光の方が頭に入りやすいという研究結果もあります。しかし、それ以上に大切なのは実用性です。

電子書籍を半分くらい購入している僕の経験から言うと、電子書籍は読み返さないんです。バイブルになり得ません。

後で見返したい本、自分の指標にしたい本、「あの時何て書いてあったっけ?」と確認したくなる本は、やはり紙の本が便利です。マーカーを引いたり書き込みをしたりするのも、電子書籍では面倒ですが、紙なら簡単にできます。

【第3景】読んだ本で気づいたことをノートに書く

僕がおすすめする読書ノートの取り方があります。見開きの左ページには本に書いてあったことをそのまま書き写し、右ページには自分の心に刺さったポイントを箇条書きで記録します。

さらに、左ページの内容に対して「自分だったらどうするか」「自分の場合はこうかもしれない」といった考えを右ページに書き込んでいきます。これにより、読書が単なるインプットではなく、具体的なアクションへと変わります。

本でいいなと思ったことだけでなく、後で自分なりに実践してみようというアイデアがそこに残っていくのです。

【第4景】「調べる→まとめる→書籍を5冊読む→人に聞く」の順番を守る

学習には段階的なステップがあります。

まず「調べる」のは簡単で、誰でも日常的にやっていることです。次の「まとめる」も比較的取り組みやすいでしょう。

問題はその次です。何かについてもっと深く知りたくなったら、1冊ではなく5冊の関連書籍を読んでください。5冊読むと面白いことが起こります。大体同じことが書いてある箇所が見つかるのです。複数の著者が同じことを言っているということは、それが真理である可能性が高いということです。

5冊読んでも分からないことや、より専門的なことを知りたくなったら、最後に人に聞く。実際にやったことがある人、成果を出したことがある人に相談するのです。

【第5景】自分専用のスペシャリストを用意する

各分野において「この人は○○の専門家」という人を自分の周りに置いておくこと。営業の専門家、ファイナンスのスペシャリスト、マーケティングの専門家といった具合に。

もっと身近なレベルでも構いません。「プレゼンがうまい人」「人の話を聞くのがうまい人」など、各カテゴリーに師匠のような存在を置くのです。

僕が広報で行き詰まった時の話をしましょう。広報に関する本を10冊20冊読んでも全くうまくいきませんでした。しかし、広報で大成功している企業の担当者に話を聞く機会を得ると、本には一切載っていない貴重な実体験や心理的な洞察を教えてもらえました

書籍は確かによくまとまっていますが、実際の経験に基づく知識には敵いません。自分の脳内に各分野の専門家というボックスを作り、「このカテゴリーならこの人」と整理しておくと良いでしょう。

【第6景】ビザスクを活用する

新社会人や経験の浅い方、自分の専門分野から大きく離れた領域について学びたい場合、周りに適切な専門家が見つからないことがあります。例えば営業職の人がプログラミングについて学びたい場合などです。

そんな時に便利なのが「ビザスク」というサービスです。各分野のビジネス専門家が多数登録しており、時間単価でお金を払って相談することができます。

さっきの「専門家を置いておこう」が自分のつながりがなくても叶うサービスなのです。

お金を払うことの意味は大きく、自分も回答者も真剣になります。僕も多くの専門家に相談しましたが、皆さん非常に親切で、時には厳しい指摘もしてくれます。それもまた勉強になります。

【第7景】個人ブログっていいよ〜

ウェブで検索すると概要的な記事はたくさん出てきますが、個人ブログには特別な価値があります。その人が実際に経験したことを詳しく綴っているケースが多いからです。

「私はこの方法で全部やりました」といった実体験ベースの情報は、人に直接聞くのと同じような価値があります。また、個人ブログは広告色が少ないのも魅力です。企業の記事だと、読んでいる途中で何かのサービスに誘導されがちですが、個人ブログにはそれがありません。

ブログは本当に良い学習ソースです。

【第8景】人に教える機会を作る

人に何かを教えたり、相談に乗ったりするには、相応の知識と経験が必要です。さらに、それを教えられるレベルまで体系化できているかも重要になります。

教える機会があると、そのためにまとめようとしますし、まとめる過程で自分の理解も深まります。

僕は昨年から仕事のスタイルを変えました。それまでは一人で黙々と作業していましたが、チーム全体に関わってフィードバックを継続的に行うようにしたのです。みんなのスキルアップと売上向上を目指していましたが、意外にも一番伸びたのは僕自身でした。教えることで、すべてが体系化されていった感じ。

【第9景】文字に残す

僕が大好きな言葉があります。「言語化しなかった思考は消える」。

せっかく考えて答えを出したことも、文字に書き起こさなければ必ず頭から消えてしまいます。ブログでもメモでも構いません。文字として残すことが重要です。

今でも、ブログで公開したことは全部覚えています。見返すこともできますし、「この時はこう考えていたんだな」と振り返ることもできます。

さらに興味深いのは、同じテーマについて今考えると、昔の自分とは違う答えが出ることです。その差分が成長の証拠になるのです。ブログを書ける人は書いた方が良いと思います。

【第10景】同じことを何度も考え直す(脳内整理)

僕が「脳内整理」と呼んでいる作業があります。今何を目的としていて、そのために何をやっているのかを定期的に確認することです。

例えば営業で「売上100万円を作りたい」という目的があり、「そのために1日テレアポを何件やっている」という手段を取っているとします。最初は明確だった目的も、日々の作業に追われると見失いがちです。テレアポマシーンになってしまうのです。

僕は早い時で2日に1回、全く同じことをノートに書きます。「実際これは何のためにやっていたんだっけ?」と振り返るのです。目的を見失わなければ、そのために他にできることは何かと考えられますし、別の手段も探せます。

【第11景】自分だけの法則を見つける

「もしかしたらこれってこうなんじゃないか?」という法則を見つけると面白い発見があります。

営業での例を挙げましょう。商談後に失注になったお客様に理由を聞いたところ、「見積もり提出時に、他社はプロジェクト開始前の前提書や要件書まで用意してくれたので、そちらに決めました」と言われました。

ここから「契約前のイメージ作りが重要」という法則を導き出せます。商談後、契約前に何らかの資料を送ることで受注率が上がるかもしれません。

「こうなったらこれが上がるのではないか?」「この条件が揃うと成果が上がりやすくなるのではないか?」といった法則を見つけようとする姿勢が、学習につながります。そして、その法則が正しければ「再現性」をもって、成功確率をあげられます。

【第12景】人の仕事をもらう

自分に与えられた仕事だけをやっていると、得られる知識の幅が限定的になってしまいます。営業なら営業、マーケティングならマーケティングといった具合に。

そこで、事務や他部署の仕事を少しだけもらってみることをおすすめします。全く知らない業務に触れると「どうやったらいいの?」「何これ、意味分からない」となり、初めて自分で調べたり、やり方を聞いたりするようになります。

結果として新しいスキルが身につき、自分の業務についてもより広い視点で考えられるようになります。負担にならない範囲で、迷惑をかけない程度に、自分の範囲外の仕事にも手を出してみましょう。

【第13景】ウェビナーには参加しなくて良い

これは個人的な意見ですが、ウェビナーの多くは既に世の中に出回っている情報ばかりです。新手法やマーケティング基礎知識など、書籍を買う方が早いと思います。

リアルタイム性にも価値を感じません。質問も具体的なことは言えませんし、テキストでの投稿では限界があります。

一方で、現地セミナーには価値があります。登壇者や企業の方に直接相談できる個別時間が生まれるからです。そこで具体的な悩みを聞けるのは非常に勉強になります。

ウェビナーは企業にとって効率的なリード獲得手段として機能していますが、学習者にとっては新しい発見があることは少ないのです。

【第14景】飲み会には行こうね

これは特に若い人やマネジメント層に言いたいことです。飲み会には絶対に行った方が良いです。

僕自身はほとんど参加しませんが、それでも価値は認めています。飲み会やタバコ休憩の時間に、事業戦略の話や相談、フィードバックが行われることは事実です。そこで進む話があるのです。

人間と人間が仕事をする以上、好き嫌いは存在します。「飲み会に意味があるんですか?」「残業代は出るんですか?」といった発言をする人は、成長の機会を逃していると思います。

【第15景】「分からないから相談します」では遅い

「営業が取れません。受注率が悪くなってきました。どうやったら受注率は上がりますか?」といった相談をよく聞きますが、これでは遅いのです。

分からなくなってから相談すると、その分かるまでの成長しか得られません。そうではなく、分からない段階で「今僕はこうやろうと思っていますが、先輩だったらどうしますか?」と聞きに行くべきです。

成果を出している先輩がどう考え、どう行動しているかの一連の流れを見せてもらえれば、自分との差が明確になります。しかし、問題が起きてから聞いても、その差は見えません。

できる人の思考プロセスと行動パターンを知らなければ、永遠に差は埋まりません。

【第16景】リモートは、ダメ・ゼッタイ

最近の転職条件で「リモートワーク可」を重視する人が増えていますが、これができるのはすでにスキルセットがある人だけです。

成果を出せる人だからリモートで働けるのであって、これから成長したい人には向きません。先ほど言った「相談して差を確認する」ことはリモートでは困難ですし、飲み会での学習機会も得られません。

リモートでは必要最低限の形式的なフィードバックしか受けられないことが多く、「根本的にここがダメだよ」といった本質的な指摘をもらいにくくなります。

効率性ばかりを重視するのは悪魔的な考え方だと思います。

【第17景】Twitterは書籍、インスタは雑誌

情報収集ツールとしてのSNSには、それぞれ特徴があります。

Twitterは非常に有用です。勉強になる人や情報発信しているアカウントをフォローして情報網を作ると、検索では辿り着けない記事に出会えます。例えば、僕が注目している企業の新しい記事は、検索よりもTwitter経由で知ることが多いです。

知りたい情報だけが回ってきますし、活用できる記事が多いのが特徴です。

一方、インスタグラムは雑誌のようなものです。画像中心なので情報量が少なく、資料作成のコツなどを6枚の画像で解説されても、その後の人生に影響することはほぼありません。文字の方が圧倒的に情報量が多いからです。

学習目的でインスタグラムをフォローするのはおすすめしません。

【第18景】成功事例を100個見る

新しい施策を始める時は、関連する成功事例を100個見ることをおすすめします。営業組織の立ち上げ、プロダクト開発秘話など、何でも構いません。

52個くらいで情報が出てこなくなりますが、実は海外の記事や古い書籍を掘り起こすとまだまだ見つかります。それらをノートにまとめていくと、共通パターンが見えてきます。

50個程度で止めてしまうと「すごいな」で終わってしまいますが、100個を目指すことで50個の段階で一度立ち止まり、「この50個はなぜうまくいったのだろう?」と考察するようになります。

そしてさらに50個探すと、また新たな気づきがあります。最終的に100個を俯瞰した時に「こうすれば大体うまくいきそうだ」という法則が見えてくるのです。

【第19景】何かしらの1位を取りに行く

何かしらの分野で世界一や日本一を目指すことは、勉強そのものです。

僕は「群馬の野望」というアプリで1位を狙ったことがあります。知らない人が多いと思いますが、iOSアプリが多すぎて上位を狙えない中、プレイヤーの少ないアプリなら1位を取れるかもしれないと考えたんですね。

結果的に7位までいきましたが、途中で「上位がカンストしてて圧倒的1位になれないことがわかって」やめました。それでも「プレイヤーが少ない分野を選ぶ重要性」や「時間帯による競合の違い」など、多くのことを学びました。

1位を目指すとトライアンドエラーが必然的に発生し、それ自体が勉強になります。何かしらの分野で1位を取りに行くという姿勢は、仕事や学習の良いきっかけになります。

【第20景】クライアントに本気で向き合う

クライアントワークをしている人は、「もしクライアント先に転職するなら」という視点で仕事に取り組むことをおすすめします。

そうすることで、その部署のミッション、目標設定、評価基準、必要な成果などが見えてきます。クライアントのビジネスモデルや事業内容、場合によっては社内政治まで理解する必要性を感じるでしょう。

この深い理解に基づいて仕事をすると、クライアントからも「この人は我々のことをよく理解している」と評価され、実際の成果も向上します。

【第21景】スモールミスを先にしておく

知らないことでも「とりあえずやってみる」ことで得られる学びがあります。

僕たちがリード獲得に課題を感じた時、初めてウェビナーを開催しました。開催費用60万円に対し、獲得できたのは0〜1件、受注は0件という散々な結果でした。当時はやり方も効果も分からず、完全に失敗だと思いました。

しかし最近、YouTubeでウェビナー配信したところ問い合わせをもらえるようになりました。以前の失敗を分析し、「なぜ失敗したのか」「どうすれば成功するのか」が見えたからです。

若いうちは失敗をできるだけ多く経験した方が良いです。100回失敗した人は100の参考事例を持っているようなものです。「怒られるのが怖いからあまりやらない」という人との差は計り知れません。

【第22景】比較検討を積極的に行う

サービス導入を検討する際、10社程度から話を聞くことをおすすめします。営業組織の改善のために営業コンサルを導入するなら、複数社を比較検討するのです。

各社の違いを知ることで、選択基準が自分の中に蓄積されていきます。「この会社はマニュアル作成をしてくれない」「ここはサポートが手厚い」といった具合に。

さらに、各コンサル会社が相談の中で教えてくれる知識も貴重な学習機会です。僕たちも現在マーケティング支援会社にお願いしていますが、選定プロセス自体が非常に勉強になりました。

【第23景】ちゃんとお金を払う

お金を払わない勉強は確実にテキトーになります。

僕たちがマーケティングコンサル会社に月50万円を支払っているのも、高額だからこそ真剣に取り組む理由になります。「彼らの会話についていけるように勉強しよう」「対等に話せるだけの知識を身につけよう」と思うのです。

英会話学習でも同じです。YouTubeで学ぼうと思ったこともありますが、無料では続きません。私は来年のワールドカップ観戦に向けて、月額10万円のオンライン英会話を契約するつもりです。

ポイントは、できるだけ高額なサービスを選ぶことです。月1000円程度では痛みを感じませんが、それなりの金額を払うことで本気度が変わります。

【第24景】映画鑑賞で感性を磨く

映画鑑賞も立派な勉強です。感性が磨かれるからです。

作品の中で悪役と善人が出てきた時、普通なら善人を応援するでしょう。しかし感性が磨かれると、悪役にも悪役なりの事情があることを理解できるようになります

1つの物事に対して多角的な視点を持てるようになるのは、ビジネスでも非常に重要なスキルです。最近「アイ、ロボット」という映画を見ましたが、非常に面白かったのでおすすめします。

【第25景】エッセイや自伝を読む

頻繁ではありませんが、半年に1回程度、誰かの自伝を読むようにしています。他人の人生を追体験できるからです。

映画と同様に、「この時この人はこう思うんだな」「自分だったらこうは思わないかも」といった比較ができます。その人の人生や趣味に興味を持つと、その人がやっていたことにも関心が湧いてきます。

これにより、自分が持っている価値観の偏りに気づかされることもあります。例えば、江戸時代には男性同士の関係の方が一般的だったという話もあり、現代の「普通」が実は最近のことだったりするのです。

【第26景】興味を持ったものを買ってみる

お金を払うことと関連しますが、少しでも興味を持ったものは買ってみることをおすすめします。ガジェット、本、インテリアなど、「ちょっと欲しいな」と思ったらできるだけ購入するようにしています。

購入を検討する過程で「これの何が良いのか」「他の商品とどう違うのか」を調べるようになり、それが勉強になります

僕はインテリアに興味を持った時、天板の素材について詳しく調べました。「部屋を綺麗に見せるには家具の高さを揃えること」「なるべく低い方が広く見える」といった知識も得られました。

興味を持ったものを買うというアクションを起こすと、人間は自動的に勉強を始めるものです。

【第27景】人のスマホアプリを見せてもらう

妹に頼んでよくやらせてもらっているのですが、年代の違う人のスマホアプリを見ると新しい発見があります。「最近何のアプリを入れた?」と聞いて見せてもらうのです。

世代や性別が違うと、入れているアプリも全く違います。「これ何?」「若い人は今何に興味を持っているんだろう?」といった疑問から学習が始まります

最近驚いたのは、プレゼント選択サービスです。送られてきたリンクから興味のあるカテゴリーを選び、その中から具体的な商品を選ぶと、相手が支払いをして商品が届くというものでした。

「興味カテゴリーで絞り込み、選択肢を5個程度に限定することで、贈る側も贈られる側も楽になる」という仕組みに感心し、このサービスについて詳しく調べることになりました。

知らない世界を覗いてみることの価値です。

【第28景】夕方散歩夜無音

新しいパワーワードですが、「夕方散歩夜無音」をぜひやってみてください。

僕たちはスマホを触りすぎて、勉強する暇がありません。散歩中はスマホを見れませんし、夜にテレビやスマホを見ずに過ごすと、必ず何かを考えてしまいます。

仕事のこと、恋愛のこと、親のこと、友達のこと、今後の人生のこと。そうすると「もっとこうなるといいのに」「あんなことしたい、こんなことしたい」といった思いが湧いてきます。

勉強することよりも、まず何かに興味を持ったり、テーマを考え始めることが重要です。疑問を覚えたり「これってどうなんだろう?」というテーマを見つけることが、勉強の出発点だと思います。

散歩や夜の無音時間は、「考える余白」を持つために大切です。

【第29景】本気のプレゼントをする

本気で誰かにプレゼントをしようとすると、その人がどんな人なのか、何が欲しいのか、深く考えることになります。

例えば、マーベル好きの友人(COOの湯浅なんですが笑)への誕生日プレゼントを考えた時のことです。「普通のフィギュアでは喜ばないだろう」「マーベル好きがテンション上がるものって何だろう?」と考え抜いた結果、アイアンマンのアークリアクターのオブジェを贈りました。

そのために、アイアンマン1〜3までを実際に視聴しました。これも一種のエンターテイメントですが、立派な勉強です。

好きな人にプレゼントする場合も同様です。女性向けのアクセサリーやブランドを知らなければ、適切なプレゼントはできません。ブランドについて調べ、年齢層に合うものを選ぶのも勉強の一つです。

大切な人への本気のプレゼントを考えることで、新しい分野の知識が身につきます。

【第30景】意外とYouTubeも良い

YouTubeの関連動画機能は学習に活用できます。僕は観葉植物好きなのですが、YouTubeで観葉植物の育て方や剪定方法を見ると、次々と同じような動画が表示されます。

次の動画を選ぶ必要はありますが、関連動画機能により、自動的に様々な情報を効率的に収集できます。意外と知識が深まりますし、視覚的な情報も多いので理解しやすいです。

【第31景】先に予約を入れてしまう

勉強はきっかけが大切ですが、そのきっかけができても人は怠けがちです。そこで、先に予約を入れてしまうことをおすすめします。

僕が松の剪定に興味を持った時、まず体験会に申し込みました。当日までに、ある程度の知識を持って参加したいと思うのが人間の心理です。先に予約を入れることで、自然と学習へのモチベーションが生まれます。

これはビジネスシーンでも必須のテクニックだと思います。

【第32景】大変な被害に遭ってしまう

起業直後、大きな詐欺被害に遭い、借金を背負うことになりました。お金が全くない時期だったので、二度と同じ目に遭わないよう、必死に勉強しました。

カードの仕組み、詐欺の手法、法律について徹底的に調べました。その後、別の詐欺の電話がかかってきた時、「裁判所に行きます」と脅されましたが、裁判所に行く前には必ず催促通知が2〜3回来ることを知っていたので、相手にそれを伝えると電話を切られました。

知識が詐欺を撃退したエピソードです。大変な被害に遭うのは嫌ですが、それが強制的な学習のきっかけになることもあります。

【第33景】ギチギチにルーティンを決め込む

1週間のスケジュールを月曜から日曜まで、1時間30分単位で全て決めてみてください。仕事も含めて全部です。

その中に勉強という枠を作り、スケジュール通りに過ごします。映画を見たくなっても、映画の枠も用意してあるので、勉強の枠をサボりたくなくなります。

1週間この枠理論で過ごすと、自動的に勉強するようになります。非常にしんどいので「常時枠理論実施」はやめましたが、大切なことがある時にはこの方法を使います。

【第34景】嫌いの裏側を見に行く

個人的にうつ病について嫌悪感を抱いていた時期がありました。しかし、嫌いだけで批判するのは良くないと思い、うつ病について徹底的に調べました。

調べた結果、うつ病は高ストレスによる脳の機能障害であることが分かりました。単なる「メンタルが弱い」という問題ではなく、生理的な現象だったのです。

勉強したことで、それまでのような嫌悪感や批判的な感情は薄れました。「なぜ嫌いなのか」を考えることも大切ですし、嫌いから好きになる可能性もあります。

嫌いの裏側を見に行くことで、世界がより平和になると思います。

【第35景】ニュースに意見を持つ

ニュースを見た時、「へぇ」で終わらせず、「僕はこのニュースに対してこう思います」と言えるようになることを目指しましょう。

意見を持つには知識が必要です。政治ニュースで「〇〇、早くやめろ」と言うのは簡単ですが、「なぜそう思うのか」を明確に説明できなければ意味がありません。

批判や意見を持つには相応の知識が必要で、それが勉強のきっかけになります

退職代行サービスについても、単純に「良い悪い」ではなく、「ニーズがあるところにサービスが生まれるのは自然な現象」という視点で考えています。これも事業運営を通じて学んだ考え方です。

【第36景】時には勉強よりがむしゃらな目標達成も大事

最後は少し自己啓発的になりますが、勉強の最終目的は人生を豊かにすることです。仕事においては、目標達成のための手段に過ぎません。

マーケティング施策で広告の種類を増やすために勉強し、それで相談数が増えるかもしれません。しかし、知り合い全員に連絡して目標の相談数を達成する方が、時として正解だったりします。

がむしゃらに行動した結果も、また貴重な経験となります。勉強だけに頼ると頭でっかちになりがちです。仕事においては、目標達成に重きを置くことも大切です。

学校の「勉強しかできない人」は、社会人の学習としては不完全だと思います。

おわりに

最後に、「1つのテーマについて36の角度で考えてみるという試み」を今回やってみて。

自分のスキルや経験、思考と試行(私は「思考」と「試行」が大事だと常々言っています)を追体験できました。昔の自分と今の自分を比較できたのは良い収穫でした。

この振り返りという学習方法、そして次の方針を決めるための手段として、よかった。

36個出すのは正直しんどかったですが、この中から一つでも、皆さんの心に響くものがあれば嬉しく思います。時間ができたらまた、第2回として別のテーマでもやってみたいと考えています。

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