仕事には必勝法がある。どんな仕事も6つの項目をクリアすると必ず成果に近づく

はじめまして、もしかしたら二度目まして、そしてこれからもどうぞよろしく、小さいチームで大きな仕事をする最高の会社を作りたいと毎日唱えているConeの佐藤(@rk310117)です。
必ずといっていいほど、僕はメンバーにあるフィードバックをします。それを今回、言語化して残しておこうと思います。
仕事の「必勝法」とは
僕が考える仕事の必勝法は、次の6つのステップです。

- 目的:今達成しようとしている事業や仕事の目的
- 課題:それに対してうまくいっていない部分・課題
- 原因:その課題が生まれてしまっている原因や問題点の深堀り
- 手段:その原因を解決するためにできること・手段を複数
- 制限:自社・自分のリソースや予算などを考える段階
- 解決策:制限を踏まえて、今すべきこと。手段の中から課題を解決し目的を達成するためにいくつか優先度をつけながら選択
僕がこのステップを必勝法と呼ぶのは、すべての仕事に当てはめることができるからです。というか、仕事というものの性質上、この進め方しかあり得ない、とまで言えます。
基本的にすべての仕事は「目的を達成するため」の動きです。
- 売上〇〇円達成のために(目的)、商談数が〇〇件足りない(課題)
- ノルマ達成のために(目的)、受注があと〇〇件足りない(課題)
- ブランド確立・認知拡大を図るために(目的)、指名検索数が足りない(課題)
- 広告に依存せずリード獲得したいが(目的)、オーガニックリードが〇〇件しかない(課題)
- LTVをあげるために(目的)、解約率を下げないといけない(課題)
組織はもちろんですが、個人レベルでも同じ現象です。すべてのビジネス活動は「目的」を達成するために動いており、達成できない「課題」を解くために動くからです。
最も危険な「手段から考える」という罠
すべての仕事はこの「目的」を認識するところからです。目的なき解決策ほど愚かなものはないです。なにを解決するのか?
実際あった話ですが、コンサルティング会社と契約をして、サポートを受けているとき、手段の話ばかりされてブチギレたことがあります。
僕たちは、売上拡大のためにメディアのトラフィック・コンバージョン数を増やさないといけない、かつそのトラフィックが落ち込んでいたとき、コンサルティング会社との定例MTGで3つほどアイデアをもらいましたが、それに意図がなかった。つまりさっき説明した6つのステップがないと思しき「手段のみ」の提案だったわけです。
そこで、「今あげてもらった3つの手段で、なにをどう改善するんですか?目的は達成できると思いますか?」と質問したところ、「いえ、わかりません」と。
”わ、わかりませんっ!?!?!?!”
”目的を達成するイメージがわかない施策なんて提案していいのか!?”
と思ったわけですね。笑
これが最たる例なんですが、達成すべき目的があって、それに達していないがために生じる課題。その課題を解決するための手段、という順序でしか手段を考えてはいけないのです。
この、目的→課題→原因→手段 をすっとばして「手段」から考えると、なんの役にも立たない議論になってしまいます。
僕がメンバーにフィードバックするとき、みんながやってしまいがちだなと思うのは「手段の質を気にしてしまう」ことです。
よく、「今相談してくれた手段は目的を達成できる?」と聞くことが多いです。やっぱりリアルさに欠けることが多いんです。逆説的ですが、仕事をしようとすると仕事ができない。みたいな感じで、みんな賢そうに手段の質について相談してくることが多い。
でも、手段の質はどうでもよくて、考えるべきは「その手段で目的を達成できるかどうか」「現状抱えている課題を解決できるかどうか」なのです。
だから、僕がフィードバックするのは「その手段で課題は解決できるか?」と問うことだけです。
上司の指示を受けるときも同じ
よく、この仕事やっておいて、と上司に言われたとき「はい、わかりました」といって言われたとおりに実施する人が多いと思いますが、同じことが言えます。
たとえば、これまでの問い合わせのリサーチを出してとかですかね。上司はおそらく「目的」と「課題」を感じていて「原因」を探すためにそのリサーチを部下に依頼していると思います。
- 目的:月間でのお問い合わせベースでの商談獲得数を20件獲得する
- 課題:現状、10件のビハインドである
- 原因:なぜか?わからないから、これまでの問い合わせ内容を見て、施策(手段)を考えることにしよう
という思考で部下に「問い合わせ内容のリサーチをだして」と依頼するわけです。
しかし、部下はとりあえずリサーチを提出することが目的になるので提出して終わり。もちろんこれでも良いのですが、今後もっとスキルを伸ばしたい・昇進したい、と考える場合は、上司にその依頼された内容の背景(つまり、目的と課題)を聞かないといけません。
じゃないと、結局前述のコンサルティング会社のように「無味無臭無意味」なレポートを提出することになり、上司に「なにこれ?」と言われたり、そもそも自分のスキルも上がりません。
個人レベルでも、他人・組織の「目的・課題」は常に意識しないといけないのです。
6つのステップの具体的な進め方
①目的・②課題・③原因の深堀り
さっきの上司と部下の例で考えてみましょう。
- 目的:月間でのお問い合わせベースでの商談獲得数を20件獲得する

- 目的:月間でのお問い合わせベースでの商談獲得数を20件獲得する
- 課題:現状、10件のビハインドである

- 目的:月間でのお問い合わせベースでの商談獲得数を20件獲得する
- 課題:現状、10件のビハインドである
- 原因:問い合わせ内容を見てみた結果
- 競合との比較検討が増えている
- → 問い合わせ前に競合に流れる数が増えているのでは?
- 顧客層がA業界が減ってB業界が増えている
- → A業界よりB業界の方が平均的に検討期間が長いので、これが原因?
- 広告からの問い合わせが減ってきている
- → 競合の出稿数増加やクリエイティブの摩耗が原因?
- 競合との比較検討が増えている

原因の深堀りは「考えうるものすべて」ですね。そして、この中から最も確からしい、かつ解決すると課題の解決に直結する原因を選びます。
この「最も確からしい原因」の選び方はデータを見る、だとか、実際に顧客に聞いてみるだとかたくさんありますが、とりあえずでいいです。失敗すればまた違うもっと大きい原因について考えればいいですから。
事業の相手は顧客、つまり人間です。一発で正解を出せる人なんかごく稀です。だから基本的には「最もそうかもしれないと思った原因」を「上からひとつずつ」つぶしていくしかないのです。
④手段の検討
今回は「競合との比較検討が増えている→問い合わせ前に競合に流れる数が増えているのでは?」を選んだとします。次に「手段」を考えていきます。
- 競合比較表をWebサイトに出しておく
- 競合が露出している比較メディアの最上位に掲載してもらう
- コンテンツマーケティング実施で、競合が取れていない面を取りに行く
- 比較検討されないように、そもそもカテゴリの第一想起をとりにいく
(TV広告・業界紙取材・業界カンファレンス主催など)

この手段を考えるときは「組織・自分の知識・経験」が必要になります。要するに「リストアップできる施策がどれだけあるか」「世の中の施策をどれだけ知っているか」という勝負ですね。
⑤制限の考慮
自社や自分のリソースを考えたときに「目的を達成できるもののなかで、自社が実施できるものはどれか?」です。

たとえば、「比較検討されないように、そもそもカテゴリの第一想起をとりにいく(TV広告・業界紙取材・業界カンファレンス主催など)」は、費用や業界紙とのつながりが皆無であれば、実施の実現可能性が低いですよね。
また、中長期ではなく「直近で10件のビハインドを取り返さないといけない」状態なら「コンテンツマーケティング実施で、競合が取れていない面を取りに行く」は、時間がかかる施策のため取り組むのが厳しいわけです。
ただし、リソース的に厳しいなら諦める、というのが普通ですが、もうひとつは乗り越えるみたいなことも含まれてきます。
もしその手段が絶対にやるべきである、となるのであれば、かつ時間の猶予がある、のであれば、業界紙とのつながりをつくる、というネクストアクション込での解決策となります。
要するに目的達成に近い解決策を選ぶことが最も重要です。
⑥解決策の決定
今回は「競合比較表をWebサイトに出しておく」という手段にしようと思います。

となるわけですが、ここで再確認「その手段は目的を達成できる(課題を解決できる)解決策であるか?」です。
いや、厳しい、となれば、もうひとつの手段の「競合が露出している比較メディアの最上位に掲載してもらう」を追加したり、新たにまた手段を考えたりし直さないといけないのです。
その最終アウトプットが「目的を達成する(課題を解決できる)解決策」となって出てきます。
実際Coneで起きたこと
この仕事の必勝法で成果が出た例のひとつを紹介します。
営業部とのMTGで「商談数が足りない」という課題に対して、メンバーが手段をいくつか上げてきたわけですが、それを「とりあえず手段を上げただけでは目的達成にならない」「その目的と手段がつながっていない」とフィードバックしました。
原因の深堀りを一緒にしてきました。
- 商談数はどれくらい足りないのか?
- なぜ足りないのか?
- どういう商談の取り方ができるのか?
- どの顧客セグメントからの商談が足りていないのか?
- どの顧客セグメントからの商談が伸ばせそうか?
- その中で自分たちが採ってはいけない手段はなにか?
その結果「受注済顧客からのリピートが伸ばせる」ということで、そこをどうやって伸ばすか、の手段を考える時間に移行。
その手段をいくつか検討し、上から優先度をつけて実施したところ1ヶ月で15%程度改善しました。
まぁおそろしいことに最初にメンバーから出たアイデアは
- アウトバウンドでフォーム営業・テレアポでアポを取る
- 未商談リードにメルマガを送る
- 他の事業から顧客を紹介してもらう
みたいなものたち。
嗚呼。咳をしても一人。って感じですよね。
目的→課題→原因→手段の順で考えていないから手段がはちゃめちゃで、どうやって達成するのかの絵も浮かばない。そこにリアルさがないわけです。
どんな仕事でも同じく通用する
これは、ほんとにどんな仕事でも同じです。
飲食店の例
- 目的:売上目標〜〜
- 課題:飲食店の売上が伸びない
- 原因:
- 来店数?→多いときは店の前に並ぶくらいに足りてる。じゃあ、
- 客単価?→セットの販売数はかなり多い、からここは限界。
- 回転数→ここを伸ばせば、来店数は足りているわけで売上は伸ばせる
- 手段:回転数をあげるために
- 提供スピードを上げる
- 部屋の温度を熱くする
- 注文を発券スタイルにする
- そこから解決策を選びます
個人レベルでも同じ
- 目的:キャリアップしたい
- 課題:ノルマは達成できているのに昇進の話が来ない
- 原因:昇進の条件を知らない
- 解決策:聞いてみる
これを、昇進の条件を知らずに文句を言いながら働いても「自分の目的」は達成できないわけです。
とうことで、今回は仕事の必勝法を紹介しました。いかがだったでしょうか。面白いなと思ってくれたらうれしいな。ぜひ、株式会社Coneのファンになってください。今からなら第一号を名乗れます。
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